漢方治療エビデンスレポート
日本東洋医学会EBM委員会エビデンスレポート/診療ガイドライン タスクフォース
1.
感染症
(
ウイルス性肝炎を含む
)
文献
谷口彰治, 寺井岳三, 幸野健, ほか. 帯状疱疹後神経痛に対する補中益気湯の効果. 皮膚の 臨床 1999; 41: 601-3.
谷 口 彰 治, 幸 野 健, 寺 井 岳 三. 帯 状 疱 疹 後 神 経 痛 に 対 す る 補 中 益 気 湯 の 予 防 効 果.
Progress in Medicine 2002; 22: 863-5. 医中誌 Web ID: 2002176936 MOL, MOL-Lib
1. 目的
帯状疱疹後神経痛 (PHN) に対する補中益気湯の予防効果の有無を評価。
2. 研究デザイン
ランダム化比較試験 (RCT)
3. セッティング
病院1施設 (皮膚科)
4. 参加者
急性期の帯状疱疹患者57名
5. 介入
Arm 1: カネボウ補中益気湯エキス細粒7.5gを1日3回に分けて、12週間経口投与 (42
名: 男性12名、女性30名、平均年齢69.2歳)
Arm 2: 投薬なし (15名: 男性5名、女性10名、平均年齢66.9歳)
6. 主なアウトカム評価項目
観察開始時、投与12週後、24週後の痛みの状態をvisual analogue scale (VAS) で 評価した。得られたデータは中央値 (25%点、75%点) で表された。
7. 主な結果
観察開始時のVASは補中益気湯群で7.1 (6.5, 7.4) 、コントロール群で6.9 (5.5, 7.9)であ ったが、12週後にはそれぞれ4.1 (3.0, 5.4) 、3.5 (1.7, 5.1) 、24週後では1.4 (0.5, 2.3) 、
2.9 (1.7, 4.2) であった。観察前と24週後で比較したVAS比率 (rVAS) において補中益気
湯群が0.20 (0.09, 0.30) 、コントロール群が0.42 (0.33, 0.53) で有意差を認めた。
8. 結論
帯状疱疹の急性期に補中益気湯を12週間内服することにより、24週後のPHNを有意 に抑制する。補中益気湯はPHNに対し予防効果を有する。
9. 漢方的考察
なし
10. 論文中の安全性評価
補中益気湯投与群42名中1名に胃部不快感が認められたが、一過性で継続投与可能で あった。
11. Abstractorのコメント
PHNで長年悩まされている患者は多く、本試験は貴重な報告と言える。両群の年齢、
罹患部位、発症日数、基礎疾患、併用薬に偏りはないと記載されているが、症例数に 相違を認める。PHNの発症率とも関連する問題であるが、結果への影響など評価が必 要である。臨床的には意義ある結果であり、さらなる研究の成果を期待する。
12. Abstractor and date
鶴岡浩樹 2007.6.15, 2008.4.1, 2010.6.1, 2011.10.12, 2013.12.31